『人は聞き方が9割』の概要
筆者:永松茂久氏
出版社:すばる舎
ページ数:240ページ
ジャンル:ビジネス書
あらすじ
「コミュニケーションにおいては、話し方より聞き方のほうが大切である」
永松 茂久. 人は聞き方が9割 (p.8). 永松茂久. Kindle 版.
本書は、会話を上達させる手法として「話させ上手になる」「話をしっかりと聞く」にフォーカスを置き、どのように上達させるかを書いたHowTo本である。
- なぜ「聞く人」はうまくいくのか?
- 人に好かれる人の聞き方
- 嫌われない聞き方
- 「また会いたい」と思われる人の聞き方
について、詳細なポイントを解説している。
レビュー(ピックアップ)
ネガティブ
- 言っていることは分かるが、いつもやっていると疲れそう
- 実際にやるとなると、できるかわからない
ポジティブ
- 改めて人の話をしっかり聞こうと思った
- 正味2時間ほどで読むことができ、わかりやすくまとまった本だった
評価
聞く、寄り添うという観点であれば、「Listen」や「人を動かす」などの名著もあり、そちらを読んだ方がより詳しく学べそう。
ただ、これらは冗長でかなり分厚い本なので、人は聞き方が9割をサクッと読むというのも悪くはない。
ご自身の読書スタイルや空き時間に合わせて選べばよいかと思う。
この本をお勧めしたい人
- 会話のすれ違いや人間関係のトラブルに悩んでいる人: 上手な聞き方を理解・実践することで、人間関係のトラブルを回避できるかもしれません
- 人見知りや口下手で、話すことに苦手意識がある人: 無理に話し方を磨くのではなく、相手の話を聞く力を伸ばす方が良いかもしれない
- 会議や職場でのコミュニケーションを改善したい人。: 否定のない肯定的な空間を作る聞き方を学ぶことで、職場やコミュニティでの人間関係を円滑にするヒントが得られるかもしれない
この本をお勧めできない人
- 他者との関係性向上や相手への配慮に特に関心がない人: そもそも他者との関わりや関係性の質に価値を見出さない人には、本書の内容は重要に感じられないだろう
- 聞くことの重要性やメリットを全く感じていない人: 会話は話す側が主導権を握るべきだと強く信じ、相手の話を聞くことにほとんど価値を見出していない人には、本書の考え方が響きにくい可能性がある
『人は聞き方が9割』の要約
第1章 なぜ「聞く人」はうまくいくのか?
要約・まとめ
話し上手は多いものの、聞き上手は少なく貴重な存在であり、特に不安が広がる現代において、相手に安心感を与えられる存在は貴重。人は本来、話すことで心理的な快感を得る話したい生き物であり、自分の話をわかってくれる人を熱望している。
多くのコミュニケーションでは、「言葉を聞くこと」hできていても、その奥にある「感情をよみとること」ができていない。それがすれ違いを生んでいる。
明日への学び
自分事に落とし込む
自分が話す前に、まず質問すること。そのためには、相手に健全な興味関心を持つことから始めよう。
第2章 人に好かれる人の聞き方
要約・まとめ
人に好かれる聞き方とは、相手に安心感を与え、心を開いてもら得る話し方。
まず安心の玄関を開けることが大切です。そのための魔法の傾聴スキル「表情」「うなづき」「姿勢」「笑い」「感嘆」を実践してみよう。
明日への学び
自分事に落とし込む
第3章 嫌われない聞き方
要約・まとめ
人に好かれる以前に、まず「嫌われない」ことが重要。人が心を開くには、まず抱えている不安を取り除く必要があるためだ。
嫌われないためには、強引に話すのではなく、温かく相手の話を傾聴することが鍵となる。
また聞き方で損をしないためには、異なる意見を否定しない、自分の常識を押しつけない、相手の話と競わない(マウンティングしない)、日常会話で結論を焦らない、といったことを守ることも必要。特に否定のない空間を作ることが、人が集まり、円滑なコミュニケーションの基盤となる。
明日への学び
人に好かれる前にまず「嫌われない」ことを目指す。相手の不安を取り除くため、否定やマウンティングなど「やらないこと」を意識し、否定のない空間を作る。
自分事に落とし込む
相手の靴を履いて、相手を尊重し、否定しないこと。今も意識して入るが実践は難しい。引き続き頑張ろう。
第4章 「また会いたい」と思われる人の聞き方
要約・まとめ
「また会いたい」と思われるには、相手に対する敬意や話への好奇心といった心の在り方が最も重要。
特に話の内容だけでなく、その奥にある「感情」を聞くことが、相手の心を開く上で不可欠となる。
テレワークの普及でコミュニケーション機会が減る中、「聞く人」は心理的安全基地として求められる存在になりつつある。まずは身近な大切な人の話を聞くことから始めること、そして、聞いてくれる人が一人でもいることが、孤独な人にとっての救いとなり、安心感という大きなギフトになるだろう。
明日への学び
スキルより「敬意」「好奇心」の心構え=話の内容でなく感情を聞き、相手の感情を理解しようとする心構え、が大切。
自分事に落とし込む
まずは相手を尊重するマインド。マインドが自分の行動を規定し、より良い結果に繋がる。