【要約・まとめ】『経営戦略の思考法』をまとめてみた

経営戦略の思考法 経営学
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BYB

年間100冊以上の本を読む30代サラリーマン。国内MBAを最優秀で卒業し、その知見を用いて人生やビジネスで役に立つ書籍を紹介します。

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第1章|経営戦略に関する5つの考え方

要約・まとめ

第1章:経営戦略に関する5つの考え方

本書では、経営戦略の考え方を大きく5つに分類して解説する。

  1. 戦略計画:戦略(組織全体の目標に向かってメンバーの活動を整合化させるプラン)の作成法を明確に体系化することを重視する
  2. 創発:現場のミドル以下へ権限を与え、ポテンシャルを活用することを重視する
  3. ポジショニング:物理的もしくは心理的な「立地」の確保を重視する
  4. 経営資源:自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を重視する
  5. ゲーム:戦略の本質は競合との駆け引きであり、出し抜き合いのプロセスを重視する

大事だと思ったこと

この5分類が示された理由は、議論の道標とするためだ。この5つでMECEというわけではなく、大まかな分類である。しかし、自身の現在の議論の立ち位置は、この5分類に立ち返ることで把握することができる。

重要なことは、複数のポジションを取れるということ。施策ごとにバランスを取り、それぞれの考え方を複眼的に用いることが求められる。

 

なぜ大事だと思ったか

経営そのものには正解はなく、自身で正解に近いと思うものを決断していかねばならない。この5分類も鵜呑みにするのではなく、あくまで議論のためのガイドであるという認識を持つのが望ましいと考えた。

分類自体は非常に明快で理解しやすい。この5つの何を重視すべきかという視点から考え始めると、筋道が立てやすそうだ。

第2章|戦略計画学派

要約・まとめ

第2章:戦略計画学派
第2章:戦略計画学派

戦略計画学派とは、戦略策定の手順を明確に言語化することを重視した研究者たちのことである。変化の激しい時代においては、変化に応じた計画修正を都度行うことが求められる。そのため、複雑な意思決定を素早く再現性高く行うため、議論のステップまで明確に示すことが求められた。

良い点は、戦略計画学派の理論は、今日においても経営戦略を語るうえでの基盤であり続けていることだ。企業経営が合理的であろうとする限り、戦略計画学派の理論は経営戦略の根幹であり続けるだろう。

一方、注意点もある。使う側に回った際、各理論の誤用に注意が必要だ。どの段階でどの理論をどのように使うことが適切なのかは、しっかり学習せねば判断が難しい。

大事だと思ったこと

本学派の問題点は、使用者に誤用が多いこと。本書ではSWOT分析の誤用を取り上げており、まさにそのような使い方をしている方は見かける。

誤用を防ぐために、基礎をガッツリ学ぶことが何より大切。

 

なぜ大事だと思ったか

まさにMBAの「マーケティング・経営戦略基礎」で学んだフレームワークなどが、この学派から生み出されたものだろう。誤用が多いのも納得。何となくでもフレームワークを使うと、分析できた感が出てしまう。

この学派の考え方を使う際には、適切な状況か否かを立ち止まって考える癖を付けたい。

第3章|創発戦略学派

要約・まとめ

第3章:創発戦略学派
第3章:創発戦略学派

創発戦略では、現場発の活動こそが経営戦略の中核であると考える。具体的には現場で権限の与えられたミドルが、環境変化に適応するために日々努力を重ね、限られたリソースでビジネスチャンスをものにしたとする。そのプロセスが事後的に何らかのパターンとして創発される、というものだ。

現場のミドルが経営管理者となる本戦略では、現場の有益な情報をフル活用することが可能になる。また、現場の人材こそが重要であり、組織設計と人材育成が重要であることも示唆する。

一方で、自分が作り上げたビジネスはなかなか切れないもの。多角化が進みすぎてもうからない事業を抱えてしまう可能性がある点には注意したい。

大事だと思ったこと

現場のミドル・マネジメントこそが、経営戦略を磨きこんでいるとする考え方。

なぜ大事だと思ったか

創発戦略的な考え方は、MBAでは割と見落とされがちな気がする。もちろんリーダーシップクラスではエンパワーメントなどは習うが、影響範囲は本戦略の方が広め。戦略計画学派と同様、考え方は極端だが、このような考え方があると頭に入れておくと、かなりの振れ幅をもった思考の引き出しができるはず。

第4章|ポジショニング・ビュー

要約・まとめ

第4章:ポジショニング・ビュー

ポジショニング・ビューは、外部環境に着目して戦略や事業ポートフォリオを取捨選択する思考法。

ポジショニング・ビューで大切なことは、市場で特定のポジションを確立して高い利潤を獲得することである。そのため、市場内の自社のポジションを認識することが重要になる。そのために作られたFWが、5Fである。

ポジショニング・ビューの落とし穴として、外部環境以外の要素への思考が疎かになることだ。例えば他社の報復的な行動を考慮した戦略や、自社内のシナジーを活かした事業ポートフォリオの構築は、ポジショニング・ビューだけだと難しい。

大事だと思ったこと

5F自身には、外部環境を押さえる要素しかない。他者の行動や自社内のリソースを加味しないと、不完全な恐れがある。

 

なぜ大事だと思ったか

5Fはよく使うFWだが、それができた経緯を踏まえると使うべき場面と補完すべき箇所が見えてくる。今後も使うFWだからこそ、根底の部分から理解を深めておきたい。

第5章|リソース・ベースト・ビュー

未読

第6章|ゲーム論的アプローチ

未読

第7章|5つの戦略感がもたらす反省

未読

第8章|3つの思考法

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第9章|戦略的思考法の具体例

未読

第10章|顧客ダイナミクス

未読

第11章|顧客の声に耳を傾けてはいけないとき

未読

第12章|差別化競争の組織的基礎

未読

第13章|競争を活用する戦略

未読

第14章|先手の連鎖シナリオ

未読

第15章|シナジーの崩壊メカニズム

未読

第16章|選択と集中ー創発的多角化戦略の問題点ー

未読

第17章|組織暴走の理論

未読

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