【要約・まとめ】『「数字指向」のマーケティング』をまとめてみた

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BYB

年間100冊以上の本を読む30代サラリーマン。国内MBAを最優秀で卒業し、その知見を用いて人生やビジネスで役に立つ書籍を紹介します。

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序章 マーケティングの重要性が高まる理由

本章をお勧めしたい方

  • デジタルマーケティング部の力が弱いと悩んでいる方
  • 営業が頑張ればデジタルマーケティングは不要だと思っている方
  • デジタルマーケティングの役割をうまく説明できない方

要約・まとめ

営業の効率化は限界があります。顧客への認知向上や経験価値向上に向けて、デジタルマーケティングが担う役割は大きくなっています。

マーケティングは、戦略→戦術→実行→成果 という関係で成り立っています。日本企業の多くは、戦術の設計が不十分です。いくら正しい施策を実行したとしても、正しい成果の証明ができず、いきあたりばったりになってしまいます。

プロセスマネジメントの観点から、戦術の設計について見ていきましょう。

明日への学び

デジタルマーケティングに携わっている人ならごく当たり前の話だが、これを周りの人はどれだけ理解してくれているか。

結局デジマは、周囲の協力・連携なくしては成果を出せない。そのためには、本性の内容を布教し、理解ある味方を増やさねばならないだろう。

第一章 マーケティングプロセスと主な指標

本章をお勧めしたい方

  • マーケティングの設計って何をするのかよくわからない方
  • なんとなく数字を使って仕事をしている方

要約・まとめ

マーケティング活動を大きく分類すると、全体プロセス〉プロセスで用いられるチャネル〉チャネルごとの施策、となります。その関係を意識しましょう。

全体プロセスを考える際には、各プロセスを測定可能な定義にし、達成責任を分担します。たとえばマーケティングの責任は「有望見込み顧客の総客数」。インサイドセールスも営業もそれぞれが違う数字に責任を持ち、全体プロセスを機能させていきます。

プロセスごとにチャネルを整理することも大切です。各チャネルの貢献度を図ることで、改善が可能になります。

その後、チャネルごとの施策をプロセスで分解し、数字を見てボトルネックを発見するのです。

明日への学び

総論から各論へ。まずは大きな設計図をえがいてから、細かい詳細を詰めていくこと。

また、数字で計測できるように、プロセスを定義することも重要。計測できなければ、振り返りも改善もできない。定義というと完ぺきな精密さを求めがちだが、多少意味合いがずれても、計測できる数字を持ってくるほうが、建設的な議論もできよう。

個人的には、製造業の製造プロセスとマーケティングプロセスが同じであるという説明が非常に腹落ちした。

第二章 収益プランを考える

本章をお勧めしたい方

  • マーケティング成果を上司にうまく説明できない方
  • マーケティング施策と収益・利益・ROIの結びつきがイメージできない方
  • マーケティングのプランの立て方が分からない方

要約・まとめ

マーケティングの役割は、マーケティングの収益を上げること。まずは会社への収益貢献の目標を立てましょう。

目標達成の報告では、経営者が分かる数字を使って説明しましょう。メールの開封率ではなく、どれだけ売上に貢献したかが、経営者にとっては大切です。マーケティング指標を収益、利益、ROIに紐づけて説明できるようにプランニングすべきです。

明日への学び

この章で大切なことは、相手に伝えるための努力をすること。経営陣に、開封率やCRT、CVRの説明をしても伝わらないし、意味がない。我々の活動が会社の財務諸表にどのような影響を与えたのか説明しなければならない。

そのためには闇雲に施策を打つのではなく、プランの段階から設計しておく必要がある。準備八割。

第三章 指標を正しく測定するために

本章をお勧めしたい方

  • すべての数字が見たくなってしまう方
  • すべての数字を取りたくなってしまう方
  • マーケティングで何を改善すれば良いかわからない方

要約・まとめ

本章では、測定計画について解説します。

1. 収益目標の設定
前章で説明した、収益のゴールを固めます。

2. 見るべき数字の整理(目的と範囲の設定)
闇雲に数字を取るのではなく、その数字で何を説明したいのか考えましょう

3. 見せる相手を想像する
相手が経営陣か、メール担当者かで、見せるべき数字は変わります。

4. トラッキング方法を考える
トラッキングの可否を含めて検討します。

5. レポート方法を考える
チャネル、頻度、対象先などを検討します。

これらを整理しておくと、進捗の良否がすぐに分かるため、改善活動も捗ります。

明日への学び

準備八割。マーケティング担当者であれば、全ての数字を取りたくなってしまうのは常。そこをグッとこらえて、何のための活動か?そのために取るべき数字は?から考えるべき。

ゴールから逆算するのもポイント。私も教訓として、とかく目先の業務にこだわりがちなので、本部長・部長が求めていることは何か(=収益)から自身の行動を説明できるよう、落とし込まねばならない。

第四章 数字志向でマーケティング施策を計画する

本章をお勧めしたい方

  • マーケティングをなんとなく進めている方
  • やることが多すぎて、何をすればいいかわからない方
  • マーケティング施策のPDCAをうまく回せない方

要約・まとめ

マーケティング施策の計画においては、コストやリソースを割かないシンプルな施策にします。

プロセスマネジメント
各数字の変化で、ゴールがどう変わるか整理し、シミュレーションできるようにします。また、プロセスごとに責任者を置き、数字責任を負わせます。

注力するチャネルの決定
各プロセスに用いるチャネルを整理し、どこにリソースを割くべきか決めます。チャネルは単体かクロスチャネルか、資産型か使い切り型かを検討しましょう。

施策効果のシミュレーションと優先順位の決定
ビジネスインパクトの大きさと、作業量の少ない施策から進めます。

プラン作成
施策の中間指標のシミュレーションや、ワーストケースとプランBを検討します。

明日への学び

より具体的な施策内容が書かれており、イメージしやすい。

大切なことは、各プロセスの中で大事なものを数字で確認し、そこに注力する意思決定をすること。どうしても目先の業務に手を出してしまいがちだが、インパクトか大きく、かつ工数が少なそうなものから取り掛かるべし。

スモールスタートも重要。デジタルの利点は、修正が早いこと。顧客の反応に合わせて変えていく柔軟性が大切である。

第五章 適切な効果測定と分析方法

本章をお勧めしたい方

  • Web広告の効果測定を効果的に行いたい方
  • 細かい施策になると、効果測定ができないと考えている方

要約・まとめ

効果分析の順番も、ドリルダウン(収益→プロセス→チャネル→施策)で進めていきます。

収益分析
当初予定していた収益プランと進捗の差を確認し、次の打ち手を考えます。

プロセス分析
見込み顧客をカテゴリごと(獲得チャネル、企業属性など)に分類して、全体プロセスを分析します。

チャネル・施策ごとの分析
初回タッチポイント、中間タッチポイント、マルチタッチポイント、テストグループとコントロールグループの4レベルで効果測定をします。

明日への学び

大切だが疎かになりがちな、効果分析。ここでも大切なのは、プロセスごとに数値の変化を追うこと。どこまで細かく見るべきかは要検討だが、受注まで追える仕組みを構築することで、より納得度のある効果分析が行える。

受注までの期間が長い企業だと大変だが、やる価値は十分にある施策だ。

第六章 マーケティングを改善する

本章をお勧めしたい方

  • あれもこれも改善したくなり、結局手を付けられていない方
  • チームとして改善プロセスを確立したい方

要約・まとめ

プロセス改善
ボトルネックを発見する際は、成功パスのフロー数とCVRを確認します。続いてシミュレーションをし、インパクトを確認。最後に改善するプロセスを選定します。選定の際は、プロセス後半(意欲的な顧客が多い)から優先的に選択しましょう。

チャネル改善
まずはどのチャネルに問題があるかを調べましょう。必要なら、チャネルを更に分解して分析します(セミナーなら招待→登録→参加)。シミュレーションもして、収益インパクトの確認もしておくと、更に効果的です。

明日への学び

この本では、以下のことが繰り返し伝えられている。

  • プロセスのストック数とフロー数を確認する
  • CVRを計算する
  • ボトルネックを捉える
  • 施策のインパクトをシミュレーションする
  • 施策を決め、行動する

これが、数字志向のマーケティングを抽象化したプロセスであり、プランから改善まで幅広く応用できる形だと考える。

まだ自社では、ストック数とフロー数の確認が曖昧な状況であるので、整備することから始めることにする。

第七章 今日から始める数字志向のマーケティング

本章をお勧めしたい方

  • 本書の内容をザックリ把握したい方
  • 具体的なケースを見たい方

要約・まとめ

数字志向のマーケティングを進めるには、以下の順序で進めると良い。

  1. 全体を大まかに把握する
  2. プロセスを分解する(見込み客獲得プロセス、ナーチャリングプロセス、チャネル、セールスプロセスなど)
  3. 全体プロセスを組み立てる(リサイクル、アップセル/クロスセルプロセスなど)

本施策には、デジタルツールの導入が不可欠です。しかし、ツールの導入は目的とはなりえません。プロセスの改善と収益拡大がゴールである以上、そのためにすべきことを整理し、必要であればツールの導入を検討しましょう。

明日への学び

アップセル・クロスセルのプロセス組立は、イメージしたことがなかった。この章を読む限りでは、受注に結びつく活動はすべてプロセスに落とし込んで計測し、シミュレーションして改善施策を講じることができるらしい。

非常に勇気づけられる。今は無理なことが多くても、将来的には全プロセスの可視化を目標に活動していきたい。


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