『リフレクション』の概要
筆者:熊平 美香氏
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
ページ数:381ページ
ジャンル:ビジネス書
あらすじ
本書では、3つのポイントが重視されています。「リフレクション」「対話」「メタ認知」です。
この3点を適切に行うことで、自身だけでなくチーム全体のレベルを底上げすることのできるリーダーになることができます。
すなわち、「学習する組織」を作り上げるための実践法が、本書です。
レビュー(ピックアップ)
ネガティブ
- ヒトの感情を読み取ることが苦手だったので、リフレーミングの訓練は非常に参考になった
- この本を読んでリフレクションについて理解できると、直面している組織の課題を解決できそうだ
ポジティブ
- 全編が同じようなフレームワークなので、途中で飽きてしまった
- 情報量が多く、実践する際のイメージが湧きづらかった
評価
全体を通して平易な文章で書かれていて読みやすい。こういった本は「分かるけど実践難しいよね」と思いがちだが、本書では一貫して著者お手製のフレームワークが使われており、それを元に実践しやすい。
全体を通してほぼ1つのフレームワークしか使われていないため、飽きるというレビューも分からなくもないが、逆を言えば個のフレームワークを使いこなせれば多くの場面に活用できるということでもある。
『リフレクション』の要約
はじめに
要約・まとめ
リフレクションとは、本書の中で以下のように定義されている。
リフレクション(Reflection)とは、自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為です。(熊平美香著、”リフレクション 自分とチームの成長を加速させる内省の技術”、P.3)
なぜリフレクションが必要か。簡単に言えば、成長するためである。
進んでばかりでは、時に道を誤ってしまう。適切に立ち止まり、適切に振り返ることで、自己の成長を促進させることができる。
明日への学び
適切な振り返りが無ければ、自己を適切に成長させることはできない。
自分事に落とし込む
今までは自身を成長させたいと思ってはいたが、それが適切にできていなかった。その理由は、適切に振り返られていなかったからではないか。
この本は、適切な振り返りの仕方を具体的な事例とともに書いてある。読むだけでなく、実践してみることが重要。
第1章|リフレクション基本の5メソッド
要約・まとめ
リフレクションとは、以下の4つを言語化することである。
- 意見
- 経験
- 感情
- 価値観
この4つを、以下の5つについて行うことで、自己の成長を促すことができる。
- 現在の自分を知る
- 未来のありたい自分を見据える
- 過去の自分から学ぶ
- 他社の経験から学ぶ
- 学んだことから自己をアップデートする
明日への学び
意見を右脳ベースに切り分けることが大切。
これまでは左脳的に、意見=主張+根拠、と考えていた。しかしリフレクションにおいては、意見=過去の経験+その際の感情=大切にしている価値観、となる。とても面白い。
違う側面から見ることで、同じ事象であっても違う切り分け方ができる。他の事柄でも当てはまるはず。
自分事に落とし込む
書籍に書かれているワークシートについて、まず現在の自分を知るところを習慣化して取り組みたい。
第2章|オーセンティックなリーダーになる
要約・まとめ
オーセンティックなリーダーとは「自分らしいリーダー」。自分の強みも弱みも理解・納得し、メンバーの強み・弱みを活かしながら戦えるリーダーのこと。
自身の理解に使えるのが、『リフレクション』。自分の価値観を認識することで、自分の軸がしっかりする。自分の弱いところも見つめることができる。
結果として、他社から学ぶ余裕ができるようになり、自分自身の成長に大いにつながることになる。
明日への学び
自分はどんな場面で力を発揮できるのか。そこが見定められていると、自分の弱いところはメンバーの強みを活かして乗り越えられる。
なのでリーダーは、自身の強みも弱みも理解している必要がある。
そして良いリーダーとは、メンバーの強みと弱みを活かせる人のことである。
自分事に落とし込む
自分の弱みを見つめるのは辛いし大変。そのやり方として本書では価値観に着目することを挙げている。
価値観をベースに物事を考えるのは、すごく難しい。日々精進するしかない。
第3章|自律型学習者を育てる
要約・まとめ
リフレクションを育成に活かすには、以下の7つの観点を踏まえることが有効。
- 主体性を育む:自らが定めた目的に向かって行動できる部下を育てる
- 自分の頭で考える力を育む:経験と価値観から、なぜそう思うのかを考える
- 期待値で合意する:成功の評価軸を、認知の4点セットで揃える
- 経験・感情・価値観を聴き、信頼関係を構築する:相手の世界を理解する
- 相手の強みを活かし、賞賛する:認知の4点セットを使ってほめる
- 成長を支援する:フィードバック後は、相手のリフレクションを支援する
- 自分の育成力を高め続ける:自身の行動や内面を振り返る
明日への学び
育成するということは、おこがましいことでもある。相手を変えることなんて、本当にしていいのだろうか。
だからこそ、相手のことを理解し、相手が気持ち良いように動いてあげることが大切。
その際にも、リフレクションが活用できる。
自分事に落とし込む
理解をしたら、次は活用。
まだ活用できる域までは達していないが、引き続き訓練を続ける必要がある。。。
第4章|コラボレーションする
要約・まとめ
学習する組織を作り出すには、以下のポイントを押さえること。
- 認知の4点セットに着目する
- 対話によってチーム学習を実現する
- 皆で意見を集め、システム思考を実現させる
- 一人ひとりのクリエイティブテンションを大切にする
- 一人ひとりのビジョンを重ね合わせて、組織としてのビジョンを確立させる
明日への学び
クリエイティブな組織を作り出すにも、リフレクションを活用することが可能。
人の感情に寄り添うことは、それほどまでにパワフル。
自分事に落とし込む
1対1でも難しいのに、それを組織に応用させるとなるとなおさら難しい。
まずは目の前の一人ひとりに集中することから始めよう。